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いかなごのくぎ煮

「イカナゴのくぎ煮」は生のイカナゴの稚魚を醤油、砂糖、ショウガなどで甘辛く煮た佃煮で、瀬戸内海沿岸地域で古くから作られている郷土料理。神戸が発祥の地と言われ、元々漁業関係者の家庭で作られていた料理だったが、1980年代以降、一般に広く知られるようになった。

スズキの仲間であるいかなご、稚魚の時には「コウナゴ・シンコ」で成魚となると「オオナゴ・メロウド・フルセ・カマスゴ・カナギ」といった具合に地域によってさまざまな呼び名のある魚です。

二月下旬に漁が解禁となると、魚屋さんやスーパーマーケットにパック詰めして並び始めるのです。

いかなごのくぎ煮こそが兵庫の方にとって、春の到来を告げる存在というわけです。

関東ではあまりなじみがない魚、それもそのはずで日持ちがしないのです。

長距離輸送が難しいからこそ、関西方面のみと地域が限定された特産品となりました。

兵庫県でも淡路島・播磨地区辺りではくぎ煮にして食べられます。

少しでも長期保存できるようにと編み出されたワザなのです。

醤油・みりんに砂糖・生姜と加えて水分がなくなるまでコトコトと煮込んで、佃煮と同じような作り方です。

そうして調理されたいかなごはまるで錆びた釘です。

その見た目よりくぎ煮という名前になったのです。

調味料の配合は各家庭でさまざま、ただ白砂糖ではなくざらめが入ることが多いみたいです。

ざらめだからこその風味やコクが欠かせないのです。

おにぎりにお弁当にとさまざまな場面で活躍してくれますから、この時期になると主婦たちは姑から教わった味を絶やすことなくたっぷりと作って保存しておくようです。

ご近所に親戚にと送るのも恒例の行事、コミュニケーションツールとしても役立ってくれている、そんな特産品です。

調味料も大なべもタッパーもそろった「いかなごセット」とかも神戸のスーパーマーケットなどで見かけるはず、ただコトコトと煮込むだけですからそれほど難しくはありません。

というわけで、三宮駅のお土産コーナーにて、いかなごのくぎ煮を発見!

実際に味わってみるべく購入してきました。

この甘辛い馴染みある味付けと生姜の風味は、日本人なら嫌いな人はいなさそう。

ご飯のお供にもばっちりで、万人受けするいい食品ですね。

とにかく鮮度が命のいかなご、朝早くに出漁し店頭に並ぶのは昼過ぎ、そしてすぐにも調理が始まるみたいです。

生のいかなごを旅行中に買って帰ってお料理するというのは難しいのです。

でも大丈夫、くぎ煮にした商品もちゃんと売られています。

兵庫県まで行く機会がなくとも、通販サイトでも手に入るのです。

兵庫県の春の味、いただいてみてはいかがでしょうか。

いかなごのくぎ煮
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